浅倉透の眼球を覗きたい。

私は浅倉透というキャラクターが嫌いではない。捻くれた物言いだが要するに好きということである。

私は浅倉透のものの見方が、大層嫌いではない。

側から見れクールにも見えるぼんやりとした雰囲気と中性的な印象を受ける綺麗な容貌。それは彼女の一片に過ぎない。

私はロマンチズムとある種の諦観めいた何かを浅倉透という人物の影に見ている。

彼女をプロデュースしていると彼女の目に映る世間というものが私達には想像も付かないものである時があることが垣間見えることがある。その言葉少なでクールに見える一方、人生というものに対しての長短を意識したり、先のことに対しての不安めいた何かを感じ取らせたり、ロマンチズムにとんだ言葉で人を意図せず煙に巻いたりしている。

人に見られるということに関心がなくゴーイングマイウェイなように見えつつも、人に理解がないわけではない彼女が見ているものは一度二度プロデュースしてみても、夢の内容からも漠然としたイメージしか伝わらない。

浅倉透という1人の少女の眼には何が映っているのだろうか。もしも彼女に聞いてみても、きっと私にはわからないロマンチズムにとんだ答えが返ってくるのだろう。

彼女が見ている世界と私達に見えている世界とではきっと違うものの映り方をしている、そんな気がしている。

私は、機会があれば彼女の眼を覗いて何が映っているのか見てみたい。