俺が人生を狂わされた女の話

毎年、暑くなってくると思い出す女が一人いる。俺が初めて彼女に会ったのは、うだるように暑い日だった。紺色の半袖のシャツは汗でところどころ色が変わって、ダラダラと腕から汗が滴り落ちていた。 夏休みだというのに宿題をする気も起きず、暑さでぬるくな…

浅倉透の眼球を覗きたい。

私は浅倉透というキャラクターが嫌いではない。捻くれた物言いだが要するに好きということである。 私は浅倉透のものの見方が、大層嫌いではない。 側から見れクールにも見えるぼんやりとした雰囲気と中性的な印象を受ける綺麗な容貌。それは彼女の一片に過…

変わっちまったぜ!

お題「#この1年の変化 」 去年の末に転職をした。同じ業種の仕事で、やっていることも大きく変わりはしない。自分の雑感としては環境が変わった程度である。 趣味の将棋も初段〜二段で右往左往している。目標は死ぬまでにアマチュアで四段になれればと思って…

飴と煙

私がある飴を食べるようになって、かれこれ10年が経とうとしている。飴を食べるということが長年続いているのは不思議なものである。 私がその飴を初めて食べたのは、それはそれはいい女に勧められたから他ならない。顔がいいというわけでも足がいいというわ…

4八銀という情景 その1

将棋の初手はざっくりプロでは7六歩と2六歩とに分かれるだろう。他にも7八飛やら5六歩やらといった手もあるか。 しかし世にある初手というのは突き詰めていけば7六歩であるか2六歩であるか、それ以外であるかという話になる。 じゃあそれ以外が悪いのか?と…

強くならないけど初段になった勉強方法

私が初段になるまでにやったことはほとんどない。気がつくと将棋ウォーズでは初段になっていた。 将棋を初めてわりとすぐに初段になったのでさしたる勉強方法はないが、将棋クエストで初段になるまでは多少の勉強をした。 今回はその勉強方法を書いていく。 …

戦型のサイクロン その3

将棋を指し始め、三間飛車と急戦居飛車、雁木を指していた私だったがあることに気付いてしまった。否、気付くべくして気付いてしまったのであろう。 主要な戦法が受け身なものであると。 三間飛車は当時は三間飛車藤井システムなんて無かった時代。攻める思…

戦型のサイクロン その2

雁木と四間飛車の2つの戦法を指し始めた私であったが、相変わらず対振り飛車には手を焼いていた。 飛車を振られて相振り飛車は難しい。かといって一段目がすっかすかの飛車に弱い雁木の陣形で振り飛車を受けることはできない。 どうしたものかと考える。 特…

戦型のサイクロン その1

私はオールラウンダーだ。得意戦法はまだない。 オールラウンダーというものがよくわからないが、気がつくとオールラウンダーになっていた。始まりは雁木と四間飛車だったはずだが気が付けば多くの戦法を指すようになってしまっている。 いったいいつからこ…

勝負の話

初めて将棋を指そうと思った学生時代。それから時間は流れ、かれこれ6年ほど将棋をやっている計算になる。 初めて将棋を遊びではなくて、勝負として指した瞬間のことを今でも何の気なしに思い出すことがある。相手は近所のご老人だった。 その老人には多くの…